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子どもの過剰歯の原因は?受診のタイミングを箕面の歯科医が解説

過剰歯とは、通常の歯の本数を超えて作られた「余分な歯」のことで、日本人では30〜50人に1人の割合で見られる珍しくない症状です。
発生する明確な原因は解明されていませんが、放置すると永久歯の歯並びを悪くしたり、隣の歯の成長を妨げたりするリスクがあります。
抜歯の有無やそのタイミングは、お子様の成長に合わせて慎重に判断する必要があり、症例によっては全身麻酔や入院下での処置が必要となることも。
まずは精密な検査で、現在のお口の状態を正しく把握することが大切です。
本記事では、箕面市の小児歯科「ヨクシオ歯科 箕面萱野」が、過剰歯とはどのようなものか、そして現在考えられている原因について、医学的根拠に基づき分かりやすく解説します。

過剰歯(かじょうし)とは?

過剰歯とは、文字通り「通常の本数を超えて、余分に作られた歯」のことです。
人間の歯の本数は、あらかじめ決まっています。

  • 乳歯: 全部で20本
  • 永久歯: 親知らずを除いて全部で28本

この本数よりも多く生えてきたり、あるいは歯茎の中に埋まっていたりする歯を「過剰歯」と呼びます。
統計的には、日本人では30人〜50人に1人程度の割合で見られると言われており、決して珍しいことではありません。
また、男女の割合では男性3:女性1で男性に過剰歯が多いという調査結果があります。
参考リンク:
日本歯科大学附属病院小児歯科 白瀬敏臣准教授他「大学附属病院小児歯科における7年間におよぶ過剰歯の実態調査」(2018)
多くの場合、上の前歯の間(正中)に発生することが多く、形も通常の歯より小さかったり、円錐形をしていたりと特徴があります。
また、お口の中に顔を出す「萌出(ほうしゅつ)」ケースもあれば、歯茎の中に埋まったままでレントゲン写真で初めて見つかる「埋伏(まいふく)」ケースもあります。

 

過剰歯ができる原因とは?

「どうしてうちの子には余計な歯ができてしまったの?」と、原因を気にされる保護者の方は非常に多いです。
しかし、結論からお伝えすると、過剰歯が発生する明確な原因は、現在の医学でも完全には解明されていません。
お母さんの妊娠中の体調やお子さんの食習慣などが直接関係しているというエビデンス(科学的根拠)も今のところありませんので、まずはご自身を責めたりせず、安心してお読みください。
現在、有力視されている説としては、主に以下の2つが挙げられます。

歯胚(しはい)の分裂

歯は、お口の中で「歯胚(しはい)」と呼ばれる歯の卵のような組織が成長することで作られます。
この歯の卵が、作られる段階で何らかの刺激やアクシデントによって2つに分かれてしまい、その結果として余分な歯(過剰歯)が形成されるという考え方です。

歯堤(してい)の増殖

歯が作られる際、その元となる「歯堤(してい)」という細胞の層が活発に動きすぎることがあります。
本来であれば、決まった数の歯を作った後にその動きは止まりますが、何らかの理由で一部の細胞が過剰に増殖し続けてしまい、新しい歯の芽を作ってしまうという説です。
ほかにも、人類の進化の過程で退化した歯が再び現れる「先祖返り」の一種とする説もあります。
参考リンク:
西山 明宏他「7本の過剰歯を有した1例」(日本口腔診断学会雑誌,2017)

 

過剰歯と、遺伝や生活習慣との関係

「親に過剰歯があると子どもにも遺伝しますか?」というご質問もよくいただきます。
一部の研究では遺伝的要因の可能性が示唆されていますが、100%遺伝するという確証はなく、現段階では「偶然の重なり」という側面が強いと考えられています。
また、特定の食べ物や生活環境が影響しているといったデータも存在しません。
過剰歯は、歯ができるプロセスの中で偶然起こる現象の一つとして捉えるのが一般的です。

 

過剰歯の種類と見つかりやすい場所

過剰歯は、お口の中のどこにでも発生する可能性がありますが、特に見つかりやすい場所や生えてくる向きがあります。

正中過剰歯(せいちゅうかじょうし)

もっとも頻度が高いのが、上の前歯の間(正中)付近です。
前歯の隙間がなかなか閉じない、あるいは前歯が変な方向を向いて生えてきたことで見つかるケースが多くあります。

順生(じゅんせい)と逆生(ぎゃくせい)

通常の歯と同じ方向に生えてくるものを「順生」、反対の向きに生えてくるものを「逆生」と呼びます。
逆生の場合は自然に生えてくることはほぼなく、歯茎の中に埋まったままになることが一般的です。

埋伏過剰歯(まいふくかじょうし)

お口の中に顔を出さず、顎の骨の中に埋まっている状態です。
これは肉眼では確認できないため、歯科医院でのレントゲン撮影やCT検査で偶然発見されることがほとんどです。

 

過剰歯を放置することで起こる3つのリスク

「特に痛がっていないし、そのままでもいいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、過剰歯を放置すると、これから生えてくる大切な永久歯に悪影響を及ぼす可能性があります。

永久歯の歯並びが悪くなる(正中離開など)

本来あるべきではない場所に歯があることで、永久歯が正しい位置に生えるのを邪魔してしまいます。
特によく見られるのが、上の前歯が左右に大きく開いてしまう「正中離開(せいちゅうりかい)」です。

隣の永久歯の成長を妨げる・根を溶かす

埋まっている過剰歯が永久歯の根っこの進路を塞いでしまい、永久歯が出てこられなくなる(埋伏)ことがあります。
また、稀に過剰歯が隣の永久歯の根に干渉し、永久歯の根を溶かしてしまう歯根吸収のリスクも考えられます。

含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)の形成

歯茎の中に埋まった過剰歯の周りに、袋状の影(嚢胞)ができることがあります。
これ自体に痛みは少ないですが、大きくなると周囲の骨を圧迫したり、細菌感染を起こして腫れたりする原因になる可能性があるため注意が必要です。

過剰歯はいつ抜くべき? 判断の基準とタイミング

過剰歯が見つかったからといって、必ずしも今すぐ抜歯しなければいけないとは限りません。
当院では、お子様の成長段階やお口の状態を慎重に診査した上で、適切なタイミングをご提案します。

経過観察で良いケース

永久歯の生え変わりに影響がなく、本人の負担が大きいと判断される場合は、定期検診で様子を見ることもあります。

早期抜歯が推奨されるケース

「永久歯の萌出を明らかに邪魔している」「歯並びが大きく乱れ始めている」という場合は、早めの処置が望ましいと考えられます。

過剰歯を抜く年齢的な目安

一般的には、永久歯の前歯が生えてくる6歳〜7歳頃に検討されることが多いですが、お子様が治療に対してどのくらい協力的になれるかという「心の準備」も大切な判断基準です。

過剰歯に関するQ&A

Q. 過剰歯は必ず抜かなければいけませんか?
A. 永久歯が生えるのを妨げている、あるいは将来の歯並びに悪影響を及ぼすと判断される場合は抜歯をおすすめします。一方で、永久歯への影響が少なく、抜歯によるリスクの方が高いと判断される場合は、抜かずに定期的な経過観察を続けることもあります。
Q. 過剰歯を抜くときは手術になりますか? 全身麻酔は必要ですか?
A. 歯茎や顎の骨に埋まっている状態の過剰歯は、手術による抜歯が必要になる場合があります。順生過剰歯など、お口の中にしっかり生えている場合は、通常の抜歯と同様に手術をせずに抜けることもあります。一方、逆生過剰歯や横向きに埋まっている水平埋伏歯などの場合は、歯茎を切開して抜歯するための手術が必要となるケースがあります。特に小さなお子様では、恐怖心や負担を軽減するため、全身麻酔下での抜歯をご提案することもあります。
Q. 乳歯にも過剰歯はありますか?
A. 稀にありますが、永久歯に比べると頻度は低いです。乳歯の場合は、生え変わりとともに自然に抜けるのを待つケースが多くなります。
Q. 過剰歯の診療費用は保険適応になりますか?
A. はい、過剰歯の診察・抜歯は基本的に保険診療の適応となります。

 

過剰歯など、お子様の歯に不安を感じられたら、ヨクシオ歯科箕面萱野へ

過剰歯そのものは病気ではありませんが、放置することで将来の歯並びや永久歯の健康に影響を与える可能性が考えられます。
原因を特定することは難しいですが、大切なのは原因を知ること以上に、今のお子様の状態を正確に把握し、適切なタイミングで対応すること。
箕面市にお住まいで、お子さんのお口の中に少しでも気になる点がある方、学校検診で受診を勧められた方は、ぜひ「ヨクシオ歯科箕面萱野」へお気軽にご相談ください。
当院では、先端の設備とお子様に優しい環境を整え、精密な診断を行っています。

歯科用CTによる3次元分析

平面のレントゲンでは判別しにくい過剰歯の正確な位置や神経・永久歯との距離を、3次元(3D)で把握します。
これにより、より安全で身体に負担の少ない処置計画を立てることが可能となります。

歯医者さんを怖がらせない工夫

無理に治療を進めることはいたしません。
まずは器具に触れたり、お話したりすることから始め、お子様が納得して治療に臨めるようトレーニングを行います。

専門機関とのスムーズな連携

過剰歯の位置が非常に深い場合や、全身麻酔下での処置が望ましいと判断される難症例については、近隣の高度医療機関(大学病院等)と速やかに連携できる体制を整えています。
また、なんらかの処置が必要となったときに、お子様の不安を最小限にするため、当院では以下の配慮を行っています。

痛みに配慮した麻酔

表面麻酔(塗り薬)を使用して針のチクッとする痛みを軽減し、極細の針や電動麻酔器を用いることで、注入時の違和感も抑えるよう努めています。

治療後の丁寧なアフターフォロー

処置後の痛みや腫れを抑えるためのお薬の処方はもちろん、ご家庭での過ごし方や注意点についても、保護者の方へ分かりやすくご説明いたします。
過剰歯をはじめ、
「歯が生えてこない」
「歯並びが悪い」
「うまく仕上げ磨きができない」
など、どんな小さなことでも、お子様の歯に関してお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。
予約は電話(050-5840-4618)やWEBフォームのほか、LINEでも承っています。